Q&A よくある質問とその回答

3:残留農薬の残留基準を超えるとすぐ危険?

A:十分な安全率を含めて残留基準が決められているので、ただちに健康に被害があるものではありません。

そもそも残留農薬の基準はどうやって決まるのでしょう?
残留農薬基準の設定の基本的考え方は、食品からの毎日の農薬摂取量が、その農薬の人1日当たりの摂取許容量(ADI)の範囲内に収まるようにするというものです。

残留農薬基準イメージ図

それではADIとはいったい何でしょうか?
ADI(Acceptable Daily Intake)とは、人が一生の間、その農薬を毎日摂り続けても、健康上なんら悪影響を及ぼさない上限の量のことで、「一日摂取許容量」と訳されています。 これは、動物実験の結果から何らかの影響も及ぼさない量(無毒性量)を算出し、これに動物と人間の違い(種差)を勘案して10倍の安全係数、また、人間でも個人差のあることを考えさらに10倍の安全係数をとり、両方で100倍の安全係数を見込んで算出されるものです。

残留農薬の基準は、食事に含まれる穀物、野菜、果物などからの対象の農薬の1日の摂取量の合計が、体重に応じてこのADIから導かれる摂取許容量の80%を超えないように、それぞれの農産物について設定されます。

よって、単一の農作物で、基準値を超えたからといって、直ちに健康に被害が出るものはないことがご理解いただけるかと思います。

しかしながら、実際には健康上何も問題はなくても、残留農薬が基準を超えて検出された場合には、日本では回収や廃棄処分などがなされてしまいます。一方、同じポジティブリスト制を導入している欧州などは、基準値をオーバーしていても、健康被害が生じるような事例で無い限り、回収等の措置がなされることはありません。
基準値オーバーの対応についても、今後は環境的な視点でも考える必要がありそうです。

農薬の安全性などについてより詳しい情報が 知りたい方はこちらをご覧下さい。

農薬工業会のホームページ
http://www.jcpa.or.jp/

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