6:生産者の取り組み
Q:生産者の取り組みについて教えてください
A:虫の混入防止対策について
農薬の適性使用基準を遵守し、残留農薬が基準値を越えないよう管理しています
害虫の発生状況についてモニタリング(監視)します
フェロモントラップ
ここで使用しているフェロモンは主に性誘引フェロモンと呼ばれるもので、雌が遠距離から雄を呼び集めるために放出する匂い物質を化学的に合成したものです。誘引された害虫の雄成虫を捕らえ、その数を一定期間ごとに計数し、発生の時期を知ることで、殺虫剤の選定や散布時期の決定などを判断する目安にすることができます。
薬剤(農薬)は厳重に管理します
施錠できる農薬保管庫
持ち出し記録も残します
農薬は施錠できる保管庫で管理されます。 当然のことながら、持ち出せる人も制限され、持ち出しについての記録も取り、不正に使用されることが無いように厳重に管理されています。
使用器具も管理します
噴霧器
備品類(はかり、計量カップ等)
噴霧器を始めとする器具もきちんと管理する必要があります。 また、残留基準を遵守するためには、農薬は正確に希釈し、正しい濃度で使う必要があります。
野菜は加工時に様々な手法を何段階にもわたり洗浄を行い、付着したゴミ(異物)、虫などを取り除きます。
溜めた水での手洗浄(ホウレンソウ)
バブリング(泡)での自動洗浄(ホウレンソウ)
バブリング(泡)での自動洗浄(ホウレンソウ)
流水での手洗浄(ホウレンソウ)
バブリング(泡)での自動洗浄(枝豆)
バブリング(泡)での自動洗浄(枝豆)
厳しい日本の要求品質を守るため、最後は野菜の一つ一つに対して、目視による検品を行い、変色したもの、異物、虫などの除去作業を行います。このような詳細な検品を日本国内ですることはコストの面からも不可能です。
ブロッコリーの検品
ムキ枝豆の検品
透過光を使った絹さやの検品
更に、野菜の内部に入り込んだ虫についても除去するため、透過光を使った検品を行う場合もあります。
しかしながら、野菜の内部に入り込んだ虫については、このような検査をもっても完全に除去することは困難な場合があります。
A:検品では防ぐことが難しい虫の混入について
透過光を使った枝豆の検品(透過光による見え方と実際の違い)
左側二つは透過光でも影があり、虫の混入が分かります。
真ん中は透過光では影がありませんが、実際には虫の混入がありました。
右側二つは透過光では少し影があるものの、実際には虫の混入はありません。
このように透過光による選別も、必ずしも万全ではありません。
防虫防除を計画的に行っても、予期せぬ虫の発生や、作物の生長過程の中で、作物の中に卵が産み付けらてしまう場合があります。
我々も最大限の努力をもって様々な洗浄や検品を行っておりますが、このような虫の混入については、完全に除去しきれないケースもあり、まれに製品中に混入してしまうことがあります。
適切に農薬使用を管理しつつ、虫混入を低減化する。 この相反する難しい課題に、今後とも業界全体として、最大限努力して参ります。
■インゲンの中から見つかったメイガの幼虫
鱗翅目メイガ科の幼虫
■枝豆の中から見つかったメイガの幼虫
■野菜の内部に入り込んだあぶら虫