Q&A よくある質問とその回答

5:冷凍野菜のプロがお答えします。

Q:「エダマメの莢の中に虫(幼虫)がいました。」

A: 主に3種の幼虫と思います。

(1)シロイチモジメイガ 体長1018mm程度と大きく、頭部黄褐色、胴部は

   白味を帯びた緑色。

(2)マメシンクイガ(別名:ダイズシンクイガ) 体長10mm前後、全体に赤紅色を帯びた乳白色。蛹化前は濃い赤紅色に。

(3)アズキサヤムシガ(別名:マメヒメサヤムシ) 体長815mm、全体に黄白色、頭部・背楯部は黄褐色。

   これら3種とも成虫が若い莢の表面・蕚(ガク)・基部等に産卵し、孵化した幼虫は莢内へ食入します。この場合、莢表面のどこかに褐変した微細な丸い孔が残り、子実も食害され、幼虫の糞が莢内に残されています。

   これら草食性の害虫をもし食べてしまった場合、人体には無害で健康には問題がないとの見解が出されています。(88.11農水省「消費者の部屋」相談コーナー、92.6.3朝日新聞等)外からは発見しにくく、農薬の多用にも問題があり、完全な防除に苦労しています。 

 

 

Q:「異味・異臭のするものもありますが。」

A:苦味のある場合・・・・

  固有の成分であるサポニンが考えられます。国産のエダマメよりより南方産のものの方がより多く含有しているように感じています。

 文献にはエダマメの苦味・渋味・収斂味は、アルカロイド、アルギニンなどのアミノ酸、サポニン・フラボノイドなどの配糖体成分が関与するとあります。サポニン・フラボノイドなどの配糖体成分は閾値(微量含んでいても感じる)、胚軸に集中しているといわれます。サポニンはブランチング工程で脱泡され、"あく"向きされますが、完全には除去されません。

 :異臭のある場合・・・・冷凍保存したエダマメにダイズ不快臭と呼ばれるにおいが出ることがあります。青葉臭成分等のもとになる成分によります。

  これは、エダマメの不飽和脂肪酸が長期間の冷凍中にリポシゲナーゼやハイドロパーオキサイドリアーゼによって酸化、分解されて生成したといわれています。

 

Q:「カボチャの表皮に薄いポリエチレン・フイルム片のようなものが附着しています」

A:「果托(かたく)」というカボチャ固有の繊維質の構成物で、食べても問題ありません。

 

  カボチャ果実の可食部は外果皮、中果皮、内果皮の3部分からなりますが、外果皮の外側に花に由来する薄い果托が残留し、果実全体を乾燥から保護しています。

  その皮膜の主成分は植物繊維です。

  果托は品種により硬い・薄い・の差異があり、緑皮系に比べ、白皮系のカボチャの方がより目立つように思います。果托は一般的に果実の未熟なうちは軟らかく、貯蔵中に糖度が増すと硬くなります。

 

Q:「カボチャの果肉がベチャベチャしておいしくありません」

A:収穫時の熟度が不十分であったか、貯蔵(熟成)条件が不適切であったためと考えます。

 

カボチャは、ホクホクした粉質で、糖分・カロテン含有が高いもの(橙黄色の濃いもの)が一般に好まれます。

  西洋カボチャは完熟してから収穫します。収穫後、キュアリング(ある温度・湿度条件下で果実表面の傷を治癒させる操作)期間を経て貯蔵します。

  貯蔵当初、澱粉が多く粉質間が強く甘みが弱かったものが、貯蔵中に澱粉は漸次減少し、糖が次第に増加します。さらに貯蔵時間が長引くとカボチャの呼吸作用により、次第に糖が減少し、粉質感も減り、水分が増え食味が低下します。

  果実の大きさだけで早めに収穫した未熟な果実は、十分に成熟させたものに比べて澱粉含有量が少量で貯蔵期間中も澱粉の減少が速く、品質の低下が急速です。

  栽培期間中の気象条件も食味に影響します。西洋カボチャの生育適温1720度に対して平均気温が2223度以上の生育条件、とくに着果期以降の高温が続くと澱粉の蓄積が悪くなり、品質、食味が低下します。

 

 

【出典:㈱オンリーワンジャーナル社 月刊「低温流通」(旧フローズンワールド)誌連載より】

 

Q:「カボチャの中に白色の硬質物が混入していました。」

A:これは業界的に俗称『カボチャの骨』と呼ばれております。極まれに起きる現象で果肉の一部が変質したものです。

 

 カボチャ生育時に天候不順(乾燥した気候の長期化)等で生育不良となり、カボチャ自身の水分とともに澱粉質が流出し果肉が脱水状態となり、カボチャ成分である糖質や澱粉質が結晶化したものと考えられております。

  『カボチャの骨』は果肉に埋まり込んであり、外見からは見分けがつきにくく、選別工程で発見除去するのは困難なのが現状ありますが、このような物が存在することを周知して選別作業に取り組んでおります。

カボチャの骨

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